この記事の想定読者
- 建設コンサルタントで働き始めて、「RCCMって何? 技術士と何が違うの?」と思っている若手技術者
- RCCMと技術士、どちらから取るべきか迷っている人
建設コンサルタントの世界に入ると、技術士と並んで必ず耳にする資格があります。RCCM(シビル・コンサルティング・マネージャ)です。私はこのRCCMを保有していて、いまは技術士二次試験に挑戦しています。
先に私のスタンスを言ってしまうと、RCCMは「技術士の前段」として取る価値のある資格です。私自身、最初からそう位置づけて取得しました。この記事では、RCCMがどんな資格なのかという基本と、なぜ前段として優秀なのかという戦略の話を、まとめて解説します。
RCCMとは ― 建設コンサル業務の「責任ある技術者」の資格
RCCMは、建設コンサルタンツ協会が実施している資格で、建設コンサルタント等業務において管理技術者や照査技術者といった「責任ある技術者」になるための資格です。民間資格ですが、国土交通省をはじめ公共発注の世界で広く認められており、業務の管理技術者・照査技術者の要件として、技術士と並んで扱われる場面が多くあります。
つまり実務上の意味はシンプルです。RCCMがあると、業務の「責任者」として名前を出せるようになる。会社にとっては受注体制に直結する資格なので、資格手当の対象にしている会社も多いはずです。
試験の概要 ― CBT方式、記述もキーボード
受験には一定の実務経験年数が必要で(学歴によって異なります)、22の専門技術部門から、自分の業務経歴に合致する部門を一つ選んで受験します。ここは注意点で、経歴と部門が一致していないと書類審査で弾かれることがあります。
試験は2021年度からCBT方式(テストセンターのパソコンで受験)になっており、試験Aと試験Bの2つで構成されます。
- 試験A ― 問題Ⅰ:自分の業務経験についての記述式/問題Ⅱ:業務関連法制度・建設一般・技術者倫理などの択一式
- 試験B ― 問題Ⅲ:管理技術力の記述式/問題Ⅳ:土木の基礎技術知識と選択部門の専門知識の択一式
特徴的なのは、記述式の解答もすべてキーボード入力だということ。手書き論文との戦いになる技術士二次とは、ここが大きく違います。なお、申込方法や日程などの細部は年度で変わるので、受験する年の「受験の手引」を必ず確認してください。
技術士とどう違うのか
よくある誤解が「RCCMは技術士の下位資格」というものです。管理技術者・照査技術者になれるという実務上の役割では、両者は同等に扱われる場面が多く、単純な上下関係ではありません。試験も年々高度化していると言われます。
それでも業界の現実として、技術士が建設部門の最高峰と見なされていること、プロポーザルなどの評価で技術士が強い場面があることは事実です。だから多くのコンサル技術者のキャリアは、最終目標を技術士に置きつつ、RCCMをどう組み込むかという話になります。
なぜ「技術士の前段」として優秀なのか
私はRCCMを、技術士への通過点として位置づけて取得しました。この戦略には、はっきりした理由があります。
- 「業務経験を文章にする」訓練になる ― RCCMの記述試験では、自分の業務経験と管理技術力を文章で説明します。これは技術士二次試験で問われる力の土台そのものです。自分の経験を棚卸しして、課題・対応・成果の形に整理する練習を、本番形式で一度経験できる
- 取った瞬間から実務で効く ― 技術士は合格まで何年もかかることがありますが、その間もRCCMがあれば管理技術者・照査技術者として業務に立てる。挑戦期間中のキャリアが止まらない
- 会社へのアピールになる ― 資格は社内での配置を動かすカードになります。私が技術士補で設計への配置を勝ち取った話は別の記事に書きましたが、RCCMはそれより強いカードです
順番のイメージはこうです。RCCMで「経験を語る力」と「責任者の立場」を先に手に入れ、その土台の上で技術士に挑む。技術士一本に絞って何年も無冠で戦うより、キャリアの足場を固めながら登るほうが、精神的にも実務的にも安定します。
注意点 ― 「前段」で止まらないこと
一つだけ、自戒も込めて。RCCMを取ると、管理技術者として業務が回るようになり、それなりに「足りてしまう」感覚が来ます。そこで止まるか、当初の計画どおり技術士まで登るか。資格は取った瞬間がゴールではなく、キャリア戦略の中の一手です。私がいま技術士二次に挑み続けているのも、RCCMを取ったときに決めた順番を守っているだけ、とも言えます。
まとめ
- RCCMは建設コンサル業務で管理技術者・照査技術者になれる資格。実務上、技術士と並んで扱われる場面が多い
- 試験はCBT方式。業務経験と管理技術力の記述+択一で、記述もキーボード入力
- 部門選択は経歴との一致が必須。年度ごとの「受験の手引」を必ず確認
- 「技術士の前段」としての価値が大きい。経験を文章化する訓練・実務の即効性・社内へのカード、の三拍子
- ただし前段で止まらない。資格はキャリア戦略の一手
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