公務員技術職試験(土木)の勉強法 ― 働きながら、平日30分で受かるための割り切り

この記事の想定読者

  • 民間の土木で働きながら、公務員技術職への転職を考えている人
  • 「働きながら専門試験(構造力学・水理学)の勉強なんてできるのか」と不安な人

27歳のとき、私は地場コンサルで働きながら公務員試験を受けて、地方公務員の土木技術職に合格しました。転職の経緯と入ってからの現実は別の記事に書いたので、この記事では勉強法だけを詳しく書きます。

先に結論を言うと、働きながらでも戦えます。ただし、戦い方を間違えなければ。私の勉強時間は、平日30分、休日2時間程度。しかも本格的に始めたのは、試験に申し込んだ後からでした。それで受かったのは、頭が良かったからではなく、割り切りがはまったからです。

全体戦略 ― 時間がないことを、前提にする

社会人受験の最大の敵は、時間のなさです。日中は仕事、帰れば疲れている。学生のように一日中机に向かう前提の勉強法は、最初から成立しません。

だから戦略はこうなります。やることを徹底的に絞り、絞ったものだけを確実に仕上げる。私の場合、それが「専門科目は公式を覚えて当てはめる」という一点集中でした。網羅的に理解しようとした瞬間、社会人受験は破綻します。

教材選び ― 「公務員試験用」を選ぶ、それが一番大事

教材は、通販で公務員試験用のテキストを買って、それだけで進めました。ここで大事なのは書名ではなく、選び方です。

大学の教科書ではなく、「公務員試験用」と銘打たれたテキストを選んでください。理由ははっきりしています。大学の教科書は理論を網羅するために書かれていて、試験に出ない深さまで付き合わされます。一方、公務員試験用のテキストは過去問をベースに、出る公式と典型問題だけに絞られている。時間のない社会人に必要なのは、この「絞られていること」です。

逆に言えば、公務員試験用でありさえすれば、定番どころのどれを選んでも大きな差はないと思います。1冊を決めたら浮気せず、その1冊を回す。教材選びに時間を使うくらいなら、公式を一つ覚えたほうがいい。

専門科目の解き方 ― 公式を覚えて、当てはめる。それだけ

技術職の専門試験には、構造力学や水理学が出ます。「専門」という響きに身構える人が多いのですが、試験問題の大半は、公式を覚えてしまえば当てはめるだけで解けるものです。手順はこうです。

  1. 頻出の公式を覚える ― テキストに出てくる公式を、まず暗記する。理屈の完全理解は後回しでいい
  2. 典型問題に当てはめる練習を回す ― 同じ型の問題を繰り返して、「この問題はこの公式」という反射を作る
  3. 深追いしない勇気を持つ ― 難解な導出や例外的な問題は捨てる。満点ではなく合格点を取る試験です

そして、民間で働いているあなたには追い風があります。測量や図面、現場で使う言葉と専門科目の用語は地続きです。完全な初学者ではない分、公式が「現場のあの話か」とつながる瞬間があり、暗記の定着が違います。

時間の使い方 ― 平日30分、休日2時間

私の実際のペースは、平日30分くらい、休日に2時間程度でした。しかも、試験に申し込んでから本格的に始めています。背水の陣を勧めるわけではありませんが、「申し込む」という行為が締切を作り、勉強を駆動してくれたのは事実です。

働きながらの配分として、おすすめはこうです。細切れの平日30分は、公式の暗記と確認に。まとまった休日の2時間は、問題演習に。暗記はスキマ時間に強く、演習は連続時間が要る。それぞれの時間の性質に合った作業を割り当てると、短い総量でも回ります。

大事なのは、平日ゼロの日を作っても自分を責めないこと。仕事で疲れ切った日はあります。30分という設定は、「疲れていても、これくらいならやれる」の線でもあるのです。

教養試験と、受験先ごとの違いについて

数的推理などの教養試験については、市販の対策本も情報も豊富なので、この記事では専門科目に絞りました。一つだけ言えるのは、技術職採用の特徴は専門試験にあるということ。事務職との一番の違いがここで、差もつきやすい。働きながらの限られた時間は、まず専門に厚く配分するのが私の考えです。

また、試験の構成や科目は自治体・採用区分によって違います。受ける先の受験案内は必ず確認してください。社会人経験者枠など、試験の形が違う入口もあります。

まとめ:割り切りの設計が、合否を分ける

  • 働きながらでも戦える。私の実績は平日30分・休日2時間、申込後スタート
  • 教材は「公務員試験用」を1冊。網羅された教科書ではなく、絞られたテキストを回す
  • 専門科目は、公式を覚えて当てはめる。深追いしない勇気。満点ではなく合格点の試験
  • 平日のスキマは暗記、休日のまとまりは演習。時間の性質に作業を合わせる
  • 試験構成は自治体ごとに違う。受験案内の確認を忘れずに

公務員技術職への転職は、試験という明確な関門がある分、やることが分かりやすい転職でもあります。時間がないことを嘆くより、時間がない前提の戦い方を設計する。それができれば、働きながらでも、ちゃんと届きます。

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