この記事の想定読者
- 待避所の設置基準(間隔・長さ・幅員)を確認したい人
- 山間部の狭い市町村道を設計する若手技術者
山あいの細い道で、ところどころ道幅が広がっている場所――あれが待避所です。対向車とすれ違うための施設で、第3種第5級の道路に設けます(道路構造令第30条)。
第3種第5級という道路
第3種第5級は、地方部の一般道のなかで最も交通量が少ない区分(市町村道の山地部など)です。この級は車線という概念を持たず、車道の幅員は4mが標準(やむを得ない場合3m)。つまり2台がすれ違うには足りない、いわゆる1.5車線的な道路です。だからこそ、すれ違いの場所を別途用意する必要がある。それが待避所です。
待避所の3要件(第30条)
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 待避所相互間の距離 | 300 m 以内 |
| 見とおし | 相互間の道路の大部分を待避所から見とおせること |
| 長さ・幅員 | 長さ20 m 以上、その区間の車道幅員5 m 以上 |
3つの要件には、それぞれ理由があります。300m以内は、対向車が来たとき次の待避所までバックする距離が長くなりすぎないため。相互の見とおしは、運転者が「次の待避所で待つか、こちらに来てもらうか」を判断できるようにするため。長さ20m・幅員5mは、普通自動車が安全に停車してすれ違える寸法です。設計では、見とおしの条件があるので、カーブの先や勾配の変わり目に待避所を置くと機能しない点に注意します。
現場では地形と地権で位置が決まる。待避所は「300m以内・見とおし可」の条件を満たしつつ、実際には用地を確保しやすい場所(山側に余裕がある、すでに広がっている)に置くのが定石です。机上で等間隔に並べるのではなく、現地踏査で見とおしと用地をセットで確認しながら配置を決める。第3種第5級の設計は、この現地合わせの感覚が効く領域です。
まとめ
- 待避所は第3種第5級(1.5車線的道路)のすれ違い施設(第30条)
- 相互間300m以内・大部分を見とおせる・長さ20m以上かつ車道幅員5m以上
- 見とおし条件があるため、カーブ先や勾配変化点には置けない
- 配置は現地踏査で見とおしと用地をセットで確認して決める
※出典: 道路構造令 第30条(待避所)。2026年6月時点の条文で確認しています。道路構造の基準は各道路管理者の条例に委任されているため、業務では該当する条例・最新の条文をご確認ください。
