この記事の想定読者
- 側溝の種類と使い分けを整理したい若手技術者
- 「なぜ車道にU型を使わないのか」を根拠から知りたい人
表面排水の主役が側溝です。カタログを開くとL型・U型・自由勾配・落ちふた式…と種類が多く、最初は迷います。でも、それぞれ得意な場所が決まっています。代表的な3種類を、使い分けの理由とセットで押さえましょう。
代表3種類の特徴
| 種類 | 形状・特徴 | 主な使い場所 |
|---|---|---|
| L型側溝 | 車道の端をL字に立ち上げた街渠。路面と一体で水を集める | 車道に接続する標準。歩車道境界・路肩部 |
| U型側溝 | 断面がU字のプレキャスト水路。ふたの有無で落ちふた式等 | のり尻・のり肩など、外圧のかからない箇所 |
| 自由勾配側溝 | 底版を現場打ちし、内部の勾配を自由に設定できる | 路面勾配では排水勾配が取れない区間 |
車道に接続する側溝に、U型を使わない理由
設計要領では、車道に接続して設置する側溝は、原則としてU型側溝を使用しないとされています。理由は、側溝壁面に外圧(車両の輪荷重や土圧)が加わる箇所では、U型の薄い側壁が構造的に不利になるためです。U型側溝は、のり尻・のり肩のように側壁に外圧がかからない箇所に使うのが基本。一方、車道の端はL型側溝(街渠)で、路面と一体的に水を集める構成が標準になります。「車道はL型、外圧のない箇所はU型」――この原則を押さえておくと、断面選定で迷いません。
勾配が取れないときの自由勾配側溝
前回、排水勾配は0.3%以上が望ましい(平滑な二次製品で0.2%まで)と書きました。ところが、平坦地や緩い縦断の区間では、路面の勾配に側溝を合わせると必要な排水勾配が取れないことがあります。そこで使うのが自由勾配側溝です。側溝の底版を現場打ちにして、製品の外形(路面に合わせる)とは独立に、内部の水路底だけ必要な勾配をつけられる。「外は路面なり、中は排水勾配なり」を両立させる製品です。逆勾配になりそうな区間や、勾配の変化点で活躍します。
側溝選定は「荷重条件・勾配・維持管理」の3点で決まる。(1)その場所に外圧(輪荷重・土圧)がかかるか→L型かU型か、(2)路面勾配で排水勾配が取れるか→取れなければ自由勾配側溝、(3)清掃・点検のしやすさ→ふたの形式。カタログの形状だけで選ぶのではなく、この3点を現地条件に当てて決めるのが実務です。維持管理の視点は、発注者が供用後に効いてくることを知っているぶん、特に重視する観点です。
まとめ
- 代表3種: L型(車道接続の標準)・U型(外圧のない箇所)・自由勾配(勾配確保)
- 車道接続は原則U型を使わない。側壁に外圧がかかるため
- 路面勾配で排水勾配が取れない区間は自由勾配側溝で内部勾配を確保
- 選定は荷重条件・勾配・維持管理の3点を現地条件に当てて決める
次回は、側溝で集めた水を落とす集水桝と、それをつなぐ管渠の配置(桝間隔・取付管)を解説します。
※出典: 各地方整備局の道路設計要領、土木構造物標準設計。2026年6月時点で確認しています。製品規格・使用区分は各道路管理者の最新の要領・標準設計をご確認ください。
