この記事の想定読者
- 集水桝の配置間隔を確認したい人
- 街渠桝と集水桝の違いを整理したい若手技術者
側溝で集めた水は、どこかで桝に落として管に引き継ぎ、流末へ運びます。その受け渡し点が集水桝です。今回は桝の配置の基本を押さえます。
桝の間隔 ― 20mが標準
集水桝(街渠桝)の設置間隔は、20mを標準とするのが一般的です。間隔が広すぎると、桝に達するまでに側溝の水位が上がって路面にあふれ、狭すぎると不経済になる。そのバランス点が、おおむね20mということです。ただし、これは標準であって、実際は路面排水の計算(次回解説)で必要な間隔を求めて決めるのが本来の手順です。
必ず桝を置く場所 ― 縦断の最下部(凹部)
等間隔とは別に、必ず桝を設けるべき場所があります。それが縦断曲線が凹形になる箇所――谷底です。水は低いところに集まるので、凹部に桝がないと、そこに水たまりができます。縦断の最下部には桝を設け、要領によってはその前後にも桝を追加して、確実に水を抜く設計とします。「凹部には桝」――線形図を見たら最初に確認したい点です。前のシリーズの縦断曲線(凹形)の知識が、ここで排水とつながります。
街渠桝と集水桝 ― 輪荷重で使い分ける
桝にも種類があり、設置場所の荷重条件で使い分けます。
- 街渠桝 ― 主に歩車道境界で集水する桝。一般車両の輪荷重が載る箇所に使う。蓋(グレーチング等)はT-25荷重対応など、交通荷重に耐える仕様にする
- 集水桝 ― 排水溝の屈曲部・断面変化部・分合流部などで、直接輪荷重が載らない箇所に使う
側溝の使い分け(前回のL型・U型の話)と同じく、桝も「そこに車の輪荷重がかかるか」で仕様が変わります。荷重条件を見て桝を選ぶ――排水構造物の選定に共通する考え方です。
取付管 ― 桝から流末へつなぐ
桝で受けた水は、取付管(管渠)で道路を横断させ、反対側の水路や流末へ運びます。管径は流量から決めますが、土砂による閉塞を避けるため最小径が定められています(本線横断管はφ600以上、延長が短く維持管理に支障がない取付道路等ではφ450程度まで等、要領による)。詰まりにくさと維持管理を考えた下限値です。
桝の配置は「維持管理のしやすさ」も設計する。桝は土砂・落ち葉がたまる場所。清掃しやすい位置・蓋形式にしておかないと、供用後に詰まって機能しなくなります。20mという標準間隔も、流量計算の結果であると同時に「点検・清掃の単位」でもある。発注者は供用後の維持管理費を負担する立場なので、「掃除できる排水か」を必ず気にします。桝割りは流量と維持管理の両面で詰めるのが実務です。
まとめ
- 集水桝(街渠桝)の間隔は20m標準。本来は路面排水計算で求める
- 縦断の凹部(谷底)には必ず桝を設置。線形図を見たら最初に確認
- 街渠桝(輪荷重あり)と集水桝(輪荷重なし)を荷重条件で使い分ける
- 取付管は流量で管径を決めるが、閉塞防止の最小径がある
- 桝割りは流量と維持管理(清掃しやすさ)の両面で決める
次回は、桝間隔や管径の根拠になる路面排水の計算(合理式)の入門です。
※出典: 各地方整備局の道路設計要領、標準設計。2026年6月時点で確認しています。桝間隔・管径等の具体値は各道路管理者の最新の要領・標準設計をご確認ください。
